2005年のオープン以来、写真展を中心にさまざまな展覧会を開催してきた銀座のシャネル・ネクサス・ホール。

展覧会ごとに非売品の図録が制作され、会場での閲覧用として公開されてきたが、昨年11月より、過去の展覧会の中から6冊の図録のデジタル版が期間限定公開されている。そのラストを飾るのは、2018年に開催されたサラ・ムーンの写真展だ。

 

世界の第一線で活躍し続ける女性写真家、サラ・ムーンの写真展『D’un jour à l’autre 巡りゆく日々』図録。 ©CHANEL

サラ・ムーンはフランスを代表する女性写真家であり、映像作家としても高く評価されている。ひと目で彼女の作品とわかるような、幻想的で深淵な作風に、世界中の多くの人が魅了されている。

展覧会タイトルは『D’un jour à l’autre 巡りゆく日々 サラ ムーン展』。“時の流れ”をテーマにサラ・ムーン自身がセレクトした作品とともに、インタビューも掲載されている。優雅なたたずまいのモデルや鳥や象などの動物たち、自然、人工的な風景の数々……時の儚さを示唆し、ノスタルジーを感じさせる独自の作品世界を自宅にいながら鑑賞できる、粋な計らいだ。

デジタル版図録は、まるで実際にページをめくるように見ることができる。拡大機能や全画面表示を使えば、ディテールの美しさも堪能できる。また、作品写真に加えて作家やキュレーターの寄稿文なども全ページ掲載されている。

公開は4月29日まで。まるで物語を語りかけてくるような、美しい作品の数々に出会える機会をお見逃しなく。

 

2020年11月より、『「In Situ」ピエール=エリィ ド ピブラック展』(写真左)や今回のサラ・ムーン展を含む計6冊の図録デジタル版が公開された。 ©CHANEL