元クルマ雑誌の編集者だけあって、試乗したクルマは数知れず。フィガロジャポン編集長の佐藤俊紀さんが今春発売されたばかりのプラグインハイブリッド4輪駆動車「DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4」を試乗。“アール・ド・ヴィーヴル”なクルマの選び方・つきあい方を提案する。

この春、DSブランドに新たに加わった「DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4」は、前輪を駆動するガソリンエンジンと、前後それぞれを駆動するモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車。ガソリエンジンとモーターの総合出力は300ps。その動力性能を、佐藤さんに体感してもらう。
「まず気がつくのは、『ここで前に出たい』と思った時に瞬時に反応する加速性。一度アクセルペダルを踏み込めば、身体がぐっとシートに張り付くほど。スムーズで力強いトルクを感じました。それなのに乗り心地はあくまでも柔らか。柔らかさと機敏さを兼ね備えていて、男性はもちろん、女性も好むフィーリングだと感じました。
さらに、高い静粛性もあります。僕はDSの、柔らかくてどこかファニーなウィンカー音がフランス車らしくて好きなのですが、このウィンカー音が響くほど車内が静かなのです」
それに加えて、大型のSUVとは思えないほどの俊敏さもある。路面状況や車体の動きをスムーズに伝えるステアリングで、繊細な操作性も楽しめる。

- 走るほどに奥行きを感じさせる、フランス車の底力。
オリジンであるクラシック「DS」は、シトロエン車独自の乗り味を実現させたハイドロニューマチックサスペンション(エアスプリングと油圧シリンダー、油圧ポンプを組み合わせたシステム)を初めて採用したクルマだったが、「DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4」のアクティブスキャンサスペンションは、佐藤さんが20代で乗っていたシトロエンGSAのそのフィーリングを彷彿とさせたとか。

「おもしろいクルマですよね。見た目やドライビングフィールは現代的で、きちんと乗り手の快適さを追求しています。その一方で、手に触れる部分にアナログ的な温かみを残していて、乗り物という機械ではなく生活に欠かせない相棒としてのフィーリングを醸している。長く乗るほどに愛着が湧く、そんな存在になるのでは」
トータルの乗り心地は、「フランス車らしい柔らかさや親しみやすさは残しつつも、乗り手が求める快適さ、乗り心地のよさをきちんと追求している現代のクルマ」だという。

- クルマが教えてくれる“アール・ド・ヴィーヴル”。
フランス流のライフスタイルである“アール・ド・ヴィーヴル”を発信する雑誌づくりに携わることから、「クルマ選びに際しても、燃費や走行性能という機能だけでなく、フィーリングやスタイルという視点を持ってほしい」と佐藤さん。
「若い頃はクルマそれぞれに備わっているキャラクターや個性を重視していました。年を重ねるにつれてクルマ選びの基準も変わってきていて、クルマそのものの個性を主張するよりも自分のライフスタイルに無理なくフィットするクルマを選ぶようになってきています。とはいえ、それは無難なクルマを選びたいということではありません。
随所にクラシック『DS』を思わせる、強い個性を残す『DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4』は、現代的な快適さを求める人はもちろん、個性やスタイルを大切にする人にもフィットします。時計やファッションに自分の好みを貫くように、クルマ選びに同じ視点を取り入れたら、自身のスタイルがより明確になるはず。自分のスタイルを打ち出すクルマは乗り手のよき相棒として、旅に、日常に寄り添ってくれるでしょう。そうして好みのスタイルのクルマに乗り続けていくうちに、思いがけず自分のライフスタイルが変化していくかもしれません」
「DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4」とともにフランス流の“アール・ド・ヴィーヴル”をぜひ体験してほしい。
2007年、阪急コミュニケーションズ(現CCCメディアハウス)に入社。Pen編集部にてファッション・腕時計・クルマを中心に担当し、2016年副編集長に就任。同年、Pen本誌に携わるかたわら、Pen国際版をスタート。仏語版フリーマガジン『Pen PARIS』、英・仏で発信するバイリンガルウェブサイト「Pen Magazine International」を立ち上げる。2019年より国際メディア部部長。Pen国際版のほか、短編映画プロデュース、多言語によるブランドソリューション事業などを指揮。2021年より現職。
DSオートモビル
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写真:古谷勝 インタビュー・文:倉石綾子