フランスのラグジュアリーシューズの代名詞といえるジェイエムウエストン。1891年にフランス・リモージュ地方で創業以来、その卓越したクラフトマンシップとタイムレスなデザインで、世界中のファンを魅了してきた。2018年には世界的なキュレーター、オリヴィエ・サイヤールをアーティスティック・イメージ&カルチャー・ディレクターに迎え、伝統を守りながら進化を続けている。

そのジェイエムウエストンが、シューズを大切に長く履き続けてほしいとの願いから、2020年に新たなプロジェクト「ウエストン・ヴィンテージ」をスタート。役目を終えたシューズを回収し、リモージュの工房で修理・修復を施して再生するというもの。ソールやインナーを交換して新品同様に美しくなるとともに、以前の持ち主が大切に履き込んだ風合いが生かされ、世界にひとつだけの逸品に生まれ変わる。

 

左が修理前、右が修理後のローファー。創業当初からリモージュの工場内に修理工房を設けるジェイエムウエストンでは、近年は年間約10,000足ものシューズを熟練の職人たちが手作業で修理しているという。

パリのシャンゼリゼ通りとサントノーレの店舗に続き、ついに「ウエストン・ヴィンテージ」が日本にも上陸。伊勢丹新宿店メンズ館にて、4月20日まで販売中だ。

また、いくつかの店舗では、不要になったジェイエムウエストンのシューズの下取りを行なっている。大切に履き続けられたシューズを、次の世代へと手渡していく「ウエストン・ヴィンテージ」。優れた職人技を環境保全に生かしていく、ジェイエムウエストンならではのサステイナブルプロジェクトに要注目だ。

 

「ウエストン・ヴィンテージ」にオリヴィエ・サイヤールが手を加えたスペシャルエディションから、「STORMY LEATHER」。ネーミングもユニーク。

 

同じく「TO TELL THE TRUTH I’M A LIAR」(上奥)と「HEDI SAINT DIOR」(上)。スペシャルエディションはポップアップショップに展示されるので、美術展を鑑賞するように訪れてみては?